第144章 空気まで甘い

粥を飲み終えた頃、南雲玲奈の身体はやはりまだだるさが残っていた。

ぶり返してまた熱が上がらないようにと、小泉大輔は彼女にもう一度眠るよう促し、退院は明日の朝にしようと言った。

南雲玲奈は拒まず、それでも忘れずに口にする。

「もしお忙しいなら、先に戻ってもいいですよ。私のことは気にしなくて。ひと眠りすれば、明日の朝にはきっと良くなってますから」

「どうして君を一人で置いて帰れるんだ」

小泉大輔は伏し目がちに彼女を見下ろし、有無を言わせぬ調子で言い切った。

「君は寝てればいい。俺は隣のソファで一晩しのぐ。話は明日の朝だ」

そう言うと、彼は手を伸ばして布団の端を軽く整え、踵を返してソ...

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